日本における平均貯蓄額と平均負債額

日本における平均貯蓄額と平均負債額について確認してみる。

また、年齢別の貯蓄残高・負債残高の確認も合わせて行い、日本における資産の実態について掘り下げを行なってみる。

家計金融資産残高

日本における金融資産残高は以下のように堅調な成長を遂げている。

1980年代と比較すると家計金融資産残高が400兆円から1,800兆円まで成長している。

増加倍率としては4.5倍となっている。

リーマン・ショック後を見ても300兆円近く資産は増加している。

これをみると金融資産は今後も順調に成長していきそうである。

出典:金融調査研究会

平均貯蓄額と平均負債額

2人以上の世帯における平均貯蓄額と平均負債額の推移を確認してみる。

2人以上の世帯における平均貯蓄額は、以下のように多少の上下はあるものの増加傾向となっている。

2017年における平均貯蓄額は1,812万円となっており、平均年収の2.937倍に当たることを示している。

中央値について確認してみると、2017年については1,016万円となっていた。

つまり貯蓄残高を低い人から順番に並べた時に、ちょうど真ん中の人が持っている資産が1,016万円となることを示している。

出典:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債)」

次に2人以上の世帯における平均負債額をいかに示す。

平均負債額についても増加傾向となっており、2017年では平均負債額が517万円となり、平均年収の0.838倍に当たる。

今回のの平均値は「負債なし」世帯についても考慮した場合の値となり、「負債あり」と回答した世帯に絞った場合の平均値は1,379万円となっている。

また、「負債あり」と答えた世帯の中央値は1,080万円となっている。

出典:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債)」

負債の内訳を確認してみると9割が土地や住宅費となっていた。

これは日本人が当たり前に購入を検討する、マンションや一戸建てにより、住宅ローン支払いを行なっている人が多いためだと考えられる。

年齢別の貯蓄残高・負債残高

これまで検討してきた、貯蓄残高と負債残高について、年齢別の比較を行なってみる。

年齢別に貯蓄残高が最も高いのは、「70歳以上」の方で2,385万円であった。

50歳から60歳の期間に貯蓄残高が増大していることから、退職金の受取や老後に備え貯蓄を始めた人が多数いる影響であることが考えられる。

逆に貯蓄残高が最も低いのは、「40歳未満」の方で602万円であった。

40歳未満は住宅購入費や子供にかかる教育費により、家計が圧迫された影響により、貯蓄残高が低く出ていると考えられる。

次に年齢別の負債残高を確認してみると、「40歳未満」「40〜49歳」における負債額が1,000万円以上となっていた。

この年代では負債保有世帯の割合も高いことから、住宅費や教育費による家計圧迫が伺える。

これに対し、70歳以上となれば住宅費の完済、子供が成人したことによる教育費の減少により、負債保有世帯の割合が低くなっている。

出典:総務省統計局「家計調査報告(貯蓄・負債)」

記事の総括

日本における家計金融資産残高は堅調な成長を遂げている。

2人以上の世帯における平均貯蓄額は1,812万円となっており、平均年収の2.937倍に当たることがわかった。

貯蓄額の中央値は1,016万円となっていた。

2人以上の世帯における平均負債額は517万円となり、平均年収の0.838倍に当たることがわかった。

この中で「負債あり」世帯に着目すると、平均値は1,379万円、中央値は1,080万円となっていた。

負債の内訳としては、9割が土地や住宅費となっていた。

また、年齢別の貯蓄残高・負債残高の比較により、「40歳未満」「40〜49歳」世帯が最も貯蓄残高が少なく、負債残高が多くなっていることがわかった。

これは住宅費や教育費により家計が圧迫されたためである。

このような状況に陥らないよう、早めの対策が必要値なる。

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