年金といえば65歳からもらえるイメージですが、実は繰上げ需給や繰下げ需給することができます。
この繰上げ・繰下げする年齢により年金受給額が変化します。
ここでは繰下げ需給・繰上げ需給について確認し、どのような選択を行うことがベストなのかについて整理します。
繰上げ需給・繰下げ需給について
国民年金の請求できる年齢は60~70歳までの範囲となり、需給開始年齢により年金額が増減します。
需給開始年齢 | 増減率 |
60 | −30% |
61 | −24% |
62 | −18% |
63 | −12% |
64 | −6% |
65 | 0% |
66 | 8.4% |
67 | 16.8% |
68 | 25.2% |
69 | 33.6% |
70 | 42% |
表のように需給年齢の繰上げにより受給額が減少し、繰下げにより受給額が増加します。
60〜64歳から需給開始する場合、繰上げは1ヶ月あたり0.5%ずつ減額
66〜70歳から需給開始する場合、繰下げは1ヶ月あたり0.7%ずつ増額する仕組みとなっています。
受給額についてシミュレーションしてみる
65歳のとき年金を20万円もらえる方がいたとします。
この方が60歳から需給する場合と70歳から需給する場合についてシミュレーションします。
60歳と70歳では2倍の差が出てしまう計算となります。
ここから70歳から繰下げ需給した方が有利となる場合を確認すると、損益分界点約12年となります。
つまり、84歳以上生きるのであれば、66〜70歳の間で需給を開始する繰下げ需給を選択した方が有利となります。
繰下げ需給を選択するか繰上げ需給を選択するかは個人の健康寿命や収入により左右されてしまうため、家族で相談することをお勧めします。
また、日本における男女の平均寿命を確認すると、女性が約87歳、男性が約81歳となっていました。
平均寿命を考えるとあまり繰下げ需給するメリットはなさそうです。
年金は手続きしないと支給されない
年金は年金事務局で手続きしないと支給されず、手続きを行わないと支給開始が66歳、67歳と繰下がっていきます。
繰下げ需給・繰上げ需給する場合も注意するようにしてください。
また、繰下げ需給した場合にも年金の需給方法に2つの選択肢があるのでそれぞれについて説明します。
繰下げ需給方法の選択肢について
65歳のとき年金を20万円もらえる方が、68歳から需給開始しようとした場合についてみていきます。
この他にもサラリーマンの場合、年金は厚生年金と基礎年金があり、繰下げは別々に指定することが可能となっています。
つまり、厚生年金を65歳から需給し、基礎年金を70歳から需給することもできます。
どのような需給方法とするのかは、それぞれの生活環境に合わせて選択するようにしてください。
家族手当のような年金(加給年金)について
夫婦の場合、家族手当のような年金として加給年金というものがあります。
これは、扶養している配偶者や子供がいる場合に支給される年金のことです。
厚生年金に20年以上加入した夫が65歳になった時、年下の妻がいれば、妻が65歳になるまで夫の厚生年金に上乗せされるというものです。
夫65歳、妻60歳の場合、妻が65歳になるまでの5年間加給年金が需給できることとなります。
受給額は年間39.8万円と決して低くありません。
39.8万円✖️5年=約200万円
歳の差5歳の夫婦の場合、約200万円需給することができます。
注意点として加給年金は、厚生年金と連動する性質があります。
この夫婦の場合、基礎年金のみ70歳に繰下げ、厚生年金を繰下げず65歳から需給するようにすることで、65歳から加給年金も需給することができます。
どのような需給方法とするのかは、自身の家庭環境を確認してみてください。
記事の総括
年金は繰上げ需給や繰下げ需給することが可能で、その年齢により年金額が増減します。
また夫婦の場合、加給年金と呼ばれる家族手当のような年金もあります。
どのような需給方法とすべきかは、個人の環境や健康状態により変わってきます。
この機会に是非とも検討してみてください。