確定拠出年金の税制面のメリット

確定拠出年金のメリットはどんなものがあるのか?

ここでは確定拠出年金に加入することで税制面にどのようなメリットがあるのかについて説明します。

確定拠出年金では次の3つのポイントで税制面のメリットを享受することができます。

税制面のメリット
拠出時:拠出額の全額所得控除
運用時:非課税にて運用
受取時:公的年金控除、退職所得控除の活用により収める税金の大幅な減少

私は確定拠出年金を4年間、ETFやインデックスに10年間投資を行ってきました。

今回、これらの経験も踏まえ記事を書いています。

拠出時のメリット

確定拠出年金に加入するとまず最初に拠出時に節税メリットを受けることができます。

確定拠出年金では通常毎月決まった金額を掛金とし拠出します。

1つ目のメリットとして、この掛金が全額、非課税となります。

そのため課税対象となる所得が減ることで、所得税と住民税を減らすことができます。

課税所得が400万円で毎月5.5万円拠出する場合
拠出前(課税所得が400万円)
所得税:約38万円
住民税:約41万円
合計納税額としては約79万円となります。
拠出後(課税所得が334万円)
所得税:約25万円
住民税:約34万円
合計納税額としては約59万円となります。
今回の例であれば、拠出前後400⇨334万円となり、所得税・住民税を合計し、約20万円節税することができます。
実質負担金額としては、66万円の拠出に対して20万円節税できることになります。
利益率としては20万円➗66万円✖︎100=約30%となります。
つまり、ただ拠出するだけで約30%近いリターンを得られると考えることができます。
これはマイナスが当たり前の金融業界においても稀にみる堅実な投資先と考えることができると思います。

運用時のメリット

確定拠出年金では運用時にも節税メリットを受けることができます。
通常の運用では、運用で得た利益の20%が税金がかかりますが、確定拠出年金ではNISAや積立NISAと同様に非課税にて運用することができます。
NISAや積立NISAとの違いは非課税期間が長い点にあります。
よって現在20歳の社会人であれば、45年間非課税にて運用することができるというわけです。
それでは非課税にて運用することがどれほどメリットとなるのか例を用いて説明します。
20歳の人が毎月5.5万円を年率5%で65歳まで運用した場合
課税で45年間運用した場合
積立元金:2,970万円
運用結果:8,260万円
45年間の合計利益は5,290万円となります。
非課税で45年間運用した場合
積立元金:2,970万円
運用結果:11,150万円
45年間の合計利益は8,180万円となります。

今回の例であれば、非課税にて運用することで8,180➖5,290=2,890万円有利に運用することができました。

これは本来であれば税金として課税されていたお金も含めて複利運用できたことが要因です。

もちろん投資であるため、このようにうまくいくケースばかりではないと思いますが、投資する商品に気をつけた上で45年という長期投資であればプラスになる確率が圧倒的に高くなります。

出典:週刊エコノミスト

日本の例でいうと、バブル崩壊直前に投資をしていた場合であっても現在まで毎月の投資を継続していれば23年間で利益はプラスとなっているそうです。

絶頂期から80%株価が下がっているのにも関わらずプラスとなっているのはとても心強いデータではないでしょうか。

受取時のメリット

ここまで、拠出時・運用時における節税メリットについてご紹介しました。

最後に紹介するのが受取時に受けることができるメリットについてです。

確定拠出年金で運用した資産を受け取る際、「公的年金等控除」「退職所得控除」が適応され収める税金の額を抑えることができるようになっています。

ここでは詳しい説明は省きますが、通常の株式と同様に得た利益全てが課税されるのではなく、上記「公的年金控除」と「退職所得控除」を活用することで収める税金の額を大幅に抑えることができるようになっています。

これら税制優遇制度ですが、今現在働き方改革により、定年の延長等により、確定拠出年金制度を取り巻く環境も変化してくると考えられるため、現在の制度が継続していく補償はありません。

しかしながら、公的年金があまり期待できず、政府がNISA等の税制優遇制度を立ち上げていることを考えれば確定拠出年金制度が不利に働く制度を作ることは考えられません。

そのため、もしも確定拠出年金の受取る年齢になった際は、専門家の意見を聞き受取りを考えるのが最適解となります。

記事の総括

ここでは確定拠出年金に加入することで得られる、節税メリットについて説明しました。

拠出時の節税メリット
確定拠出年金で拠出した全額非課税となるため、課税対象額が減ることで支払うべき所得税と住民税を大幅に節税することができる
運用時の節税メリット
非課税にて運用することができる
非課税期間は受取時まで
受取時の節税メリット
「公的年金等控除」「退職所得控除」の活用により収める税金を大幅に抑えることができる
上記制度が変更となる場合があるため受取時は専門家の意見をきくのがベスト

確定拠出年金に全額投資し、節税メリットを最大限享受しましょう

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